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長野市の市街化調整区域にある家は売れる?売却前に確認する再建築・用途変更【2026年版】

不動産売却について

専務取締役 福井 庸介

筆者 専務取締役 福井 庸介

不動産キャリア27年

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長野市の市街化調整区域にある家は売れる?売却・再建築・用途変更を解説【2026年版】

「相続した実家を売ろうとしたら、市街化調整区域だと言われた」
「農家住宅や分家住宅でも一般の人に売れるの?」
「今家が建っているなら、買った人も将来建て替えられる?」

長野市で不動産を売却するとき、このような問題が出てくることがあります。

結論からいうと、市街化調整区域にある土地・建物でも売却すること自体は可能です。

ただし、普通の中古住宅と同じ感覚で販売するのはおすすめできません。 重要なのは、 「現在の建物がなぜ建てられたのか」「買主が購入後にどのように利用できるのか」「将来再建築できるのか」 を確認してから売り出すことです。

そもそも長野市の市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市計画法上、原則として市街化を抑制する区域です。

長野市では2026年4月1日現在、市街化調整区域は14,208haあり、 市域全体の約17%を占めています。

市街化調整区域では、土地を造成する「開発行為」だけでなく、 開発行為を伴わない建物の新築・改築・増築・用途変更についても規制されています。

「現在家が建っている=誰でも自由に建て替えられる」ではありません。
市街化調整区域では、建物が存在することと、将来再建築できることは分けて考える必要があります。

市街化調整区域の家を売るとき最初に調べること

最初に確認したいのは、現在の住宅が 「どのような根拠で建築された建物なのか」です。

既存宅地 長野市の開発審査会運用基準22に該当する土地。市街化調整区域となった時点の土地利用や周辺の建物の連たん状況などが重要になります。
農家住宅 農業を営む人の住宅として建築された建物。建築した人の資格に基づく「属人性」がある場合があります。
分家住宅 農家の分家・非農家の分家など、一定の要件を満たして建築された住宅。一般の住宅とは取扱いが異なる場合があります。
許可を受けた住宅 都市計画法29条・42条・43条等の手続きによって建築された建物。許可内容を確認する必要があります。

登記簿に「居宅」と登記されているだけでは、 都市計画法上どのような条件で建築された住宅かまでは分かりません。

そのため、登記簿だけでなく、建築確認や開発・建築許可の履歴などを確認することが重要です。

長野市の「既存宅地」とは?

長野市には現在、 開発審査会運用基準22「既存宅地における開発行為等」 という基準があります。

対象となるためには、市街化調整区域に関する都市計画が決定された際、 原則としておおむね50戸以上の建築物が連たんしている区域内にあり、 さらに次のいずれかに該当することなどが必要です。

  • 土地の全部事項証明書上の地目が宅地
  • 宅地目的で農地転用許可を受けている
  • その他、既に宅地的な土地利用がされていたことを証明できる

また、原則として建ぺい率60%、容積率200%、建物高さ10m以下、 一宅地200㎡以上などの条件があります。

注意:「昔から家がある=既存宅地」ではありません。
市街化調整区域となった時点の土地利用や周辺状況などを資料で確認する必要があります。

既存宅地なら所有者が変わっても大丈夫?

ここは市街化調整区域の売却で非常に重要なポイントです。

長野市の現行基準では、運用基準22に該当する既存宅地について、 一定の条件をすべて満たす場合、 都市計画法施行規則60条の証明により都市計画法43条に適合するものとして取り扱う制度があります。

主な条件は、

  • 敷地の統合・分割・造成を伴わない
  • 原則として敷地200㎡以上
  • 従前の用途と変わらない
  • 増改築する場合は床面積が原則として従前の1.5倍以内
  • 既存建物が適法な状態で維持管理されている

などです。

この取扱いでは、所有権移転の有無自体は問わないとされています。

つまり、条件を満たす既存宅地の場合、 「第三者へ売却する」という理由だけで必ず用途変更許可が必要になるとは限りません。

ただし、自己用と非自己用の利用形態が変わる場合などは 用途変更として扱われるため、個別確認が必要です。

市街化調整区域の売却では、ここまで確認できると販売しやすくなります。
単に「調整区域です」と説明するより、 どの基準に該当し、買主がどのように利用できるかを整理しておくことが重要です。

農家住宅・分家住宅は一般の人へ売れる?

農家住宅や分家住宅では、建築した人の資格を前提として認められているケースがあります。

長野市の運用基準では、このような住宅について 「属人性」という考え方があります。

例えば農家住宅は、農業を営む人であることなどを前提に建てられているため、 一般の人が購入してそのまま居住できるとは限りません。

しかし、だからといって 「農家住宅だから一般の人には絶対に売れない」わけでもありません。

農家住宅等から一般住宅へ用途変更できる場合がある

長野市の開発審査会運用基準23 「許可を受けた建築物等の用途変更」では、 一定の条件を満たした建物について用途変更を認める基準があります。

原則として、

  • 建物がおおむね10年以上適正に維持されている
  • 都市計画法や関係法令に適合した利用がされている
  • 原則として現在存在する建物を利用する
  • 用途変更に社会通念上やむを得ない事情がある
  • 変更後も市街化を促進するおそれがない

などの条件があります。

そして運用基準では、従前用途が 「住宅(農家住宅等)」の場合、一戸建て専用住宅への変更 が類似用途の例として示されています。

ただし、ここには重要な条件があります。
運用基準23では、変更後の住宅等は原則として 買主自身の居住用または自己の業務用として使用することが求められています。

そのため、 「一般の方が購入して自宅として住む」場合と、 「投資家が購入して賃貸する」「不動産会社が転売する」場合では、 取扱いが異なる可能性があります。

特に、転売目的で取得する不動産業者等については、 運用基準23が適用されない場合が明記されています。

「10年以上経っていないと売れない」は間違い

運用基準23には原則として「おおむね10年以上」という条件があります。

しかし住宅については、 相続人や親族などが既に別の場所に生活拠点を持っていて、 その住宅へ戻る見込みがなく、 空き家として放置されることが明らかな場合などには、 10年を経過していなくても基準の対象となる取扱いがあります。

したがって、 「建築から10年経たないと一般の人に売却できない」と一律に判断するのは適切ではありません。

建築理由、利用状況、所有者の事情、買主の利用目的を整理して、 長野市へ確認する必要があります。

再建築できるかどうかも確認する

中古住宅を購入する買主にとって、 現在住めるかどうかだけでなく、 将来建替えできるかも重要です。

市街化調整区域では、現在住宅が建っていても、 同じ場所に自由に新築できるとは限りません。

確認する内容としては、

  • 現在の建物の建築・許可経緯
  • 既存宅地に該当するか
  • 都市計画法上の再建築の取扱い
  • 建築基準法上の道路に接しているか
  • 敷地の形状や面積
  • 農地が含まれていないか
  • 災害リスクやその他の法令制限

などがあります。

市街化調整区域内の農地を住宅敷地などへ転用する場合には、 農地法上の許可が必要になる場合もあります。

売却前に家を解体してもいい?

市街化調整区域では、 調査をする前に建物を解体しない方が安全です。

特に用途変更の運用基準23では、 原則として「現存する建築物をそのまま利用する」ことが条件になっています。

古い家だからと先に解体した後、 「新しい住宅を建築する条件を満たしていなかった」と分かれば、 土地としての利用方法が大きく制限される可能性があります。

市街化調整区域は「解体してから売却」ではなく「調査してから解体判断」が基本です。

長野市で市街化調整区域の家を売却する流れ

STEP 1区域確認
STEP 2建築履歴調査
STEP 3行政確認
STEP 4査定・販売
STEP 5契約・引渡し

STEP1 市街化調整区域か確認

都市計画図、土地・建物登記簿、公図などから対象地の状況を確認します。

STEP2 建物の建築経緯を確認

建築確認、検査済証、開発許可、建築許可、農家住宅・分家住宅など、 どのような理由で現在の住宅が建てられたのかを調査します。

STEP3 長野市へ確認

必要に応じて長野市建築指導課開発盛土対策室へ相談し、 既存宅地、60条証明、用途変更、再建築などの取扱いを確認します。

STEP4 条件を反映して査定・販売

市街化調整区域だから一律に安いわけではありません。

一方、周辺の市街化区域と同じ坪単価で査定することも適切ではありません。

誰が購入できるのか、購入後どのように利用できるのか、将来建替えできるのか まで調査したうえで市場価格を判断します。

STEP5 必要な手続きと売買契約を調整

用途変更などが必要になる場合には、 許可手続きと売買契約・決済時期を調整します。

必要に応じて許可取得を契約条件とするなど、 「買ったのに住宅として使用できない」というトラブルを防ぐことが重要です。

市街化調整区域だから「売れない」と決めつけないでください

長野市の市街化調整区域には、 既存宅地、農家住宅、分家住宅、許可を受けた一般住宅など、 さまざまな不動産があります。

そのため、 「市街化調整区域」という言葉だけで売却できるかどうかを判断することはできません。

重要なのは、

① どのような土地なのか
② 建物がどのような根拠で建っているのか
③ 買主がどのように利用できるのか
④ 将来再建築できるのか

を確認したうえで販売することです。

この調査ができていれば、 買主にとっても「よく分からない市街化調整区域の物件」ではなく、 条件を理解したうえで検討できる物件になります。

長野市の市街化調整区域の売却をご検討の方へ

「相続した実家が市街化調整区域だった」
「農家住宅・分家住宅と言われている」
「既存宅地か確認したい」
「一般の人へ売却できるか知りたい」
「解体する前に再建築できるか調べたい」

市街化調整区域の不動産は、 物件ごとの建築経緯や許可履歴を調べてから売却方法を決めることが重要です。

長野市の市街化調整区域にある土地・建物の売却は、株式会社Be-Styleへご相談下さい。

物件の状況を確認し、行政調査を行ったうえで、 仲介売却・買取を含めた売却方法をご提案いたします。

※本記事は2026年8月23日時点の長野市公表資料及び2026年4月1日版「長野市開発審査会運用基準」を基に作成しています。 市街化調整区域における建築・用途変更・再建築等の可否は、土地及び建物の履歴、許可内容、買主の利用目的等によって個別に判断されます。 実際の売買・建築計画については、長野市建築指導課開発盛土対策室等への確認が必要です。

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