
不動産を「負動産」にしないために|相続・空き家を早めに整理する6つの対策
不動産を「負動産」にしないために
今から始めたい6つの対策
「いつか考えよう」と先送りしている実家や土地は、 時間が経つほど管理や売却が難しくなる可能性があります。
親から相続した実家、長年使っていない土地、 遠方にある空き家など、不動産は所有しているだけで 必ず利益を生むとは限りません。
利用する予定がなく、固定資産税や管理費、 修繕費などの負担だけが続く不動産は、 俗に「負動産」と呼ばれることがあります。
「負動産」は法律上の正式な用語ではありません。 しかし、売却や活用が難しく、所有することが 家族の金銭的・精神的負担となっている不動産は、 決して珍しいものではありません。
空き家は全国で900万戸を超えています
総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、 全国の空き家は約900万2,000戸、 空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高となりました。
特に注意したいのは、賃貸や売却のために市場へ出している住宅ではなく、 使用目的が決まらないまま長期間置かれている住宅です。
人が住まなくなった建物は、換気や通水が行われなくなることで、 湿気、カビ、雨漏り、害虫、給排水設備の故障などが 発生しやすくなります。
積雪による屋根や雨どいの破損、水道管の凍結、 除雪や草刈りの負担など、空き家を維持するための 費用と手間が増える場合があります。
不動産が「負動産」になりやすい4つの原因
管理を怠ると税負担が増える可能性があります
管理されていない空き家は、倒壊、屋根材の飛散、 害虫、雑草、不法侵入などにより、 周辺の生活環境へ影響を与える可能性があります。
市区町村から「管理不全空家」または「特定空家」として 指導を受け、その指導に従わず勧告を受けた場合、 その敷地は固定資産税などの住宅用地特例を 受けられなくなることがあります。
不動産を「負動産」にしないための6つの対策
最初から「売れない」と決めつけないことが重要です
古い建物、山林、農地、接道条件が良くない土地、 遠方にある空き家などは、一般的な住宅よりも 売却に時間がかかることがあります。
しかし、価格や引渡条件、販売方法を調整することで、 隣接地所有者、移住希望者、事業者などへ 売却できる可能性があります。
大切なのは、建物の見た目や固定資産税評価額だけで判断せず、 実際の不動産市場における価格と需要を確認することです。
査定価格が高くても、長期間売れなければ、 固定資産税や管理費が増え続けます。 査定を受ける際は、価格だけでなく 「どの程度の期間で売却できる可能性があるか」も確認しましょう。
2026年時点で確認したい登記制度
| 相続登記 |
相続や遺言により不動産の所有権を取得した相続人は、
自己のために相続の開始があったことを知り、
かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から、
原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合は、 10万円以下の過料の対象となる可能性があります。 |
|---|---|
| 過去の相続 |
2024年4月1日より前に発生した相続で、
現在も相続登記をしていない不動産も義務化の対象です。
原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。 ただし、不動産を相続で取得したことを知った日が 2024年4月1日以降の場合は、その日から3年以内となります。 |
| 遺産分割成立後 | 遺産分割協議が成立した場合は、 成立した日から3年以内に、その内容を反映した 所有権移転登記を申請する必要があります。 |
| 住所・氏名変更登記 |
2026年4月1日から、不動産の所有者は、
住所や氏名・名称を変更した日から原則2年以内に、
変更登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合は、 5万円以下の過料の対象となる可能性があります。 |
| 過去の住所変更 | 2026年4月1日より前に住所や氏名が変わっており、 変更登記がされていない場合も義務化の対象です。 原則として2028年3月31日までに手続きが必要です。 |
相続した空き家には税制上の特例が使える場合があります
相続した一定の空き家を売却した場合、 譲渡所得から最高3,000万円を控除できる 「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」があります。
制度全体の適用期限は2027年12月31日までですが、 個々の不動産については、相続開始の日から 3年を経過する日の属する年の12月31日までに 売却する必要があります。
また、売却代金が合計1億円以下であることや、 建築時期、相続前の居住状況、相続後の利用状況、 耐震性、解体時期など、複数の要件があります。
対象となる家屋と敷地を取得した相続人が3人以上の場合は、 1人当たりの控除限度額が最高2,000万円となります。
相続後に賃貸、事業利用または居住利用をした場合や、 売却、耐震改修、解体の時期が要件に合わない場合は、 特例を利用できない可能性があります。 税務署または税理士へ事前に確認することが重要です。
2024年1月1日以後の売却については、 売却時に耐震基準を満たしていない建物でも、 一定の要件のもと、売却した年の翌年2月15日までに 買主が耐震改修または建物全部の取壊しを行うことで、 特例の対象となる場合があります。
相続した土地を国へ返せば解決するとは限りません
相続または相続人に対する遺贈によって取得した土地は、 一定の条件を満たす場合、 「相続土地国庫帰属制度」を利用できる可能性があります。
ただし、建物がある土地、担保権などが設定された土地、 土壌汚染がある土地、境界が明らかでない土地、 所有権について争いがある土地などは、 申請できない場合があります。
また、地上や地下に管理・処分を妨げる物がある土地や、 管理に過大な費用や労力がかかる土地などは、 審査の結果、承認されない場合があります。
審査手数料は土地1筆当たり1万4,000円で、 承認された場合には、別途、土地の管理に必要な 10年分の標準的な費用を考慮した負担金を納付します。
共有地については、原則として共有者全員で 共同申請する必要があります。
こんな状態になる前にご相談ください
- 親が施設へ入居し、実家が空き家になる予定がある
- 相続した不動産を兄弟姉妹の共有名義にしている
- 固定資産税だけを何年も払い続けている
- 草刈りや除雪のために遠方から通っている
- 建物内に家財道具や残置物が残っている
- 土地の境界や接道状況が分からない
- 相続登記や住所変更登記をしていない
- 他社から「売却は難しい」と言われた
不動産は、時間が経過しただけで問題が 自然に解決するものではありません。
建物は劣化し、相続人が増え、 税金や管理費用は積み重なっていきます。 一方で、早い段階であれば、修繕、売却、活用など、 複数の選択肢を比較できる可能性があります。
実際に売却するか決まっていなくても、 現在の価格や問題点を確認するだけで、 家族で今後の方針を話し合いやすくなります。
不動産を「負動産」にする前に
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空き家、相続不動産、古い住宅、
使っていない土地など、
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長野県全域に対応し、査定のみのご相談も承ります。
※本記事は2026年7月18日時点で公表されている制度を基に、 一般的な情報として作成しています。 個別の税務、法律、登記手続きについては、 税務署、税理士、司法書士、弁護士、法務局、 市区町村などの専門機関へご確認ください。
